また、夢をみた

夢はそれしか見ない

僕の中の昏いあか

灼熱の夢





「マスターを目指そうと思う」

リーフの言葉にナンナは目を瞠る
マスターナイトという称号は高貴な身分の騎士に授けられる美称のようなものだ
だが、それになることと、目指すことはまるで違うこと
あらゆる武具、あらゆる魔道
全てを極めようという決意

「どうしてか、お聞きしても?」

ナンナの言葉にリーフはさも意外そうに瞬きをした
「どうして、か」
予想しなかった質問なのだろう
リーフはしばらく瞳を伏せると、やがて上げた

「何かをしていないと、落ち着かないからかな」



あかに蝕まれないように
本能のごとく

はしれ
はしれ



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