ついてこい、とは彼は言わなかった



双子の兄の行う修道院の、手助けをしていたと聞いた
それからいくつか各地を回っていたのだとも
五年という月日の後で、少年に降る月日は素早く、少女を置いていってしまう


初めて少女は時間の流れをもどかしく感じ
初めて少女は時の違いに驚愕し
初めて少女は、焦燥を覚えた


少年は現れた

かつて姉弟のように見えていた姿は、今では同い年くらいに見えるのだろうか

レイは、現れた

ソフィーヤを見つめて、背を向けて歩き出した



……そして、彼女は駆け出したのだった



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