噂よりもずっと、その人は子供のような人だった

恋の話より稽古が好き
食べ物は質より量重視
己に対して無頓着


噂よりもずっと、その人は十七の少年だった

彼は戦場で戦神のように駆け抜けていく
(無慈悲な高揚)
彼は荒野で怜悧に敵を見透かしている
(囚われているよう)
すれ違って頭を下げて
振り返った碧の目
「右手は庇わず治しておけよ」
(次の戦闘は後衛に回された)


噂よりもずっと、その人は戦場の王者だった

あたしは
これ以上あの人を知りたくない




(そうでなくては、守るものを見間違えてしまう)

戦場の花




えー。アメリアです。え?なんでアメリアかって?
それはあなた、エフラムを語るのにアメリアの
「でもルネスのエフラム王子は女とみれば誰にでも襲い掛かるけだものだって」
は欠かせないでしょう?
実際にはエフラムは、つわものを見ると手合いを申し込む人なんですが。
アメリアのような若い子にとって、カリスマは麻薬のようなものなんじゃないかな、と。
恋愛とかとは全く関係なく、その人が右と言えば左も右になるという感覚。
ルネスはそれでいいけどもアメリアはグラド人で、これ以上はまるとやばい、という感覚をどこかで持ってるみたいな。


ところで、グラドに流された敵国王族の風評は、戦時において実に最もなものです。
でも、きっとエフラムの風評はヒーニアスが流したんだよ。



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